香港旅行 3
寡黙な香港人と、たまたま話すきっかけがあった。
それは最終日の夜飯。プールから出た僕は、実は晩飯のことで悩んでいた。
九龍公園プールはとても良いプールだと思う。入場料は19$(平日は17$)都会の中心にあるオアシスのようなもんだ。例えたら、梅田の扇町プールが屋外もあって、入場400円的な感じか。コインを券売機ではなく、入り口の入場口に投入する(オクトパスカードも使えるが、息子がくれたコインをここで使い切ることができた。コインロッカーは、5$硬貨で返却式)たまたま、室内50mプールでは、水球の試合があって、香港VSシンガポールをやっていた。女子の試合だったけど、香港が3-0で勝ってた。何かの記事で読んだけど、シンガポールには国技が無くて、オリンピックに出られるような選手がいない。でも水球ならば、練習場はプールのみで、オリンピックにもいけるかも。だから日本人の監督を招いて、強化しているという記事だった。シンガポールは負けていたけど、そのプールサイドにいた男性は日本人監督だったのかもしれない。でも、香港に負けているようなら、オリンピック出れないのかも。
一般利用不可でした
さて、何を悩んでいるかと言うと、iphoneに入っているオクトパスカードの残高のこと。あと146$くらいなのだけど、帰りの九龍駅ー空港のエキスプレスが110$くらいだとふんでいた。もちろん追加(top up)もできるのだけど、たぶん、100$くらいから。大幅に余るのは、僕のポリシーに背く。だから、クレジットカードが使える店で、かつ高級店では無くて、一人で入れる安めのラーメン店のような店が欲しいわけ。プールを出たところでgoogle mapを開くと、距離100mくらいの場所に、点心の店が出てきた。こいつは朗報、今回の旅は何から何までついているな!満月だからかな。
蟹座の満月、風水的には最高の香港で、僕に良い風が吹かない訳は無い😤
まだ時間は19時、まだ早めだから行けると思い、急ぐと、すでに9割くらい埋まっていた。でも、扉を開けて、一人だけどいける?と聞いたら、相席ですが、いいですか? 僕はいいけど、相手がいいのかなと思いながら、(ラーメン屋でおじさんの対面に座る客の気持ち)通された席に座る。シールドはない。
まあ、あまり怖そうな人ではないか、人気店だけあって、おじさんもしょうがないという感じで、とりあえず座る。
写真付きのメニュー表が運ばれてきて、それにチェックを入れて出すことで、言葉の壁を乗り越えている。よく考えられたシステムだ。僕は100$くらいになるようにチェックして、ここならカードもOkだからと安心して注文できた。
おじさんの料理が運ばれてきて、鶏丼のようなものを食べ始めた。どこかで見た顔だな。人にじっと顔をみられたら、美味しい物もおいしくなくなるだろう、スマホを調べるフリをしながら、ひたすら自分の点心が到着するのを待つ。隣の男女のカップル、女友達の二人が食べている物を観察する。ああ、孤高のグルメ状態か。
胃袋点心
黒玉カスタード
そこで突然、おじさんがむせ込んだ。そりゃあそうだろう、自分一人でお気に入りの店に来たのに、真っ赤なシャツ着た日焼けしたおっさんが入ってきて、対面に座って、緊張するだろう…
すみませんと思っていたら、僕の緑の菜っ葉が到着した。昨日のホーカーズの野菜炒めも、すごい量だったが、今日のも結構多い。野菜好きにはたまらん量だ。むしゃむしゃと食べ始める。2,3分して、点心が3皿到着した。予定通りの量だ。そこで頼むときから考えていた案を実行に移すことにした。
僕「あの、この黒い点心ですが、3個あるので、デザートに一個どうですか?」
おじさん「いや、僕はもう食べ終わったので…」
僕「いや、僕には三個は多いので…」
おじさん「じゃあ、遠慮無くもらうわ」
おいしそうにカスタード入り点心を頬張るおじさん。そうだ、この人、僕の母親の兄にそっくりなんだ、僕が痩せた時に、なんか似ているな、やはり僕にも杉田の血が入っているな、と感じた小児科の叔父。5年ほど前に亡くなってしまったが、僕は叔父の寡黙なところが好きだった。
おじさん「君は良く来るの?」(kings englishです)
僕「いや、旅行者なので始めてです。よく来られるのですか?」
お「そうか、日本人ぽい顔してるもんね。そうね、僕は月に一、二回。卓球の練習の時に来るんだ」
僕「そうなんですね」
お「日本人の卓球の選手、めっちゃ強い人、いるでしょう?」
僕「そうですね(名前が出て来ない…)」
お「はりもと(harimoto)」(英語でスマホで変換して見せてくれる)
僕「おお知ってます、その人は有名ですね」
お「そう、最近、彼の妹も強いよ~」
僕「福本愛はしってますか」(漢字で入れて見せる)
お「知ってるよ、強かったね。最近は見ないね。」
僕「でも、離婚してから、あまり評判よくないですよね」(google 翻訳で広東語に)
お「え、離婚してたのか。しらんかったな」
お「ほんじゃ、僕は今から卓球に行くから。この辺でバイバイ」
なんか、お互いに気まずくならないように会話して、でも僕は杉田の叔父さんが会いに来てくれたのではないかとしばらく呆けていた😂
結局、そのあとホテルからTAXIでSKY100まで移動して35$ 残り111$になった。これで九龍ステーションで券売機で切符の値段みたら、115$と書いてあって、終わったと思った。でもそのとき、高層ビルすぎるせいか、携帯のオクトパスの表示が見れなくなって、駅のチケットオフィサーに見せたら、問題無く使えると。ちょうど電車が走り込んできて、行くしかない。残高不足は、降りるときにどうにかしよう。先ほどのプールでのコインロッカーでの5$玉を握りしめて改札タッチして乗車した。
地下を出て電波が回復し、オクトパスカードの残高が確認されたら、6.6$と表示された。そうか、オクトパスカード割引か往復割引とか何かで105$で乗れたってこと。
とにかく、今回の旅は、本当にタイミングが良かった。すべてがエレベーター式につながって、まるで長回しの映画に出演しているような3日間だった。
グランドハイアットと満月
神様と満月、そしてここまで用意してきた自分の用意周到さと、ギリギリ持ちこたえてくれた体力に感謝します🙏