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院長雑記

富士山二日目

2019-08-15  カテゴリ:

 朝4時起きって、尋常じゃないよね。でも富士山に来たら、それが通常になっているので、そのリズムにしっかりと乗ってしまえば、しんどくもなんともない。逆に言えば、日本一の山、登山という非日常を味わいに来ているのだから、夜中中歩き続けることもできるわけだ。いや、個人だったらそうすべきだった。途中の標識を見せるね。山頂まで333分とあるだろ。 覚えてる? これはまさに「私は真悟」のセリフ「333から飛びうつれ」だよ。ここからは、5時間半、歩き続けなさいよという意味だったのか。僕はどんな奇跡を起こせるのか、試してみたかった。
 でも、ツアーに参加しているのだから、団体行動を取らなければいけない。4時50分に出発する頃の空を見せるね。5時3分が日の出だったらしい、ガイドさんが、本当ならばあの辺りに御来光が見えますと、ストックを突き出す。でも、辺りはほんのり明るくなってきているだけで、お日様はいなかった。
 まあ、それはまだいい。山頂にさえ行ければ、どんな素敵なことが待っているかもしれない。どんどん登れ! 寝不足でしんどいかなと予想していたが、体は軽い。しかし、列は遅々として進まない。イライラするね~、でも僕には歌がある。列の最後で、一人オリジナルラブ。
 6時頃は一時的に天気が回復。このときの絶景を見せよう。富士山はれっきとした火山だ。よく式根島の赤い火山を写真で見るが、あれと同じ色。黒いよりは赤いところが目立つ。山頂までは、まだまだあるな。 
 7時を回ると、急に風がビュウビュウと吹き始め、雨で視界が真っ白になってきた。いや、眼鏡に水滴がつきすぎて、見えないのだ。しょうがなく、裸眼で歩く。最近老眼になってきて、裸眼で歩けるくらいは見えるんだよな。
 8時に宿泊予定の八合目山小屋に到着。そこで、マザーザックを置いて、アタックザックに交換して登るのだ。いそいそと準備をする僕たちに、ガイドさんからお知らせがありますと。
 「え~、いま本八合目にいる部隊と連絡を取ったところ、風が強いので、今日のアタックは中止となります。残念ながら、みなさんは上にはいけません。」目が点になって、茫然とする僕。{いや、そんなはずはない。元気な人は行けるよ。若い人たちだけで行こうよ。}{もう少ししたら、雨も風もさっきみたいに止んで、再出発できるよ。}{いや、このままここでじっとしてたら、どんどん天気が悪くなるに決まっている、だって、台風が来ているんだから。}心の声が決意する。「よし、俺は行く!」 でも、ガイドはそういう人をたくさん見てきたんだろう。宿の入り口で見張っていた。出られない。
 落ち込んで、一人携帯をいじる僕。行く必要があるのに。行かなければならないのに。なんで、みんなそんな平気なんだ!
 何も考えられずに、宿の入り口に座り込んでいたら、先発隊が下りてきた。今朝、この宿から出て、本八合目まで行って、ガイドの判断で下りてきたと。残念ですと悔しそう。
 その裏では、メンバーで、ここに明日の朝までいるの?いや、いられるの?という疑問をもった人がいて、添乗員も機転の利く人で、明日はさらに風が強まり下りれないかもしれないという判断のもと、会社と交渉が始まっていた。
 そして9時半にそのアイデアが採用され急遽下りることになった。
 ツアーは10時に撤収を開始した。よく宿に残っていたものだ。フラフラと出ていたら、メンバー全員に迷惑をかけるところだった。
 出発時には、一面の霧。いや、雨粒の中にいる。下から吹き付けると、被っているレインウェアの帽子が脱げるほどの風。顔面にシャワーを浴びて、さめざめと泣く。人前で泣くことなんて普通できない。ちょうどいいわ誰にもばれやしない。。下山道は、ほとんど溶岩性の砂と砂利。涙で目がにじんでも歩ける。
 6合目まで降りてきたら、そろそろかなとお日様が出てきた。いじわるだな~。そうすると、また虹が見えるんだよな。今回何回目? 山の上から下に見える虹。川口湖畔からみたら、富士山にかかる虹だ。
 今回の富士登山は、虹に始まり、虹に終わる。
 だから虹の曲を流すよ。YMOは、一度1983年に解散(散開)したあと、1993年に一度再結成してるんだ。その時の東京ドーム公演は、一人で行きました。そのくらい好きなの。 ポケットが虹で一杯
 今日は休みで長文になりました。いつもお読みいただき、ありがとうございます。またそろそろ仕事に戻ります。
 最後におまけ:この曲には、アニメがついています。普段、アニメ見ない人も、見てみて(内容は僕にはよくわからないのですが、結構深い)
  交響詩篇エウレカセブン特別編
 
 

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