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院長雑記

テリー・ギリアム監督万歳!

2020-02-16  カテゴリ:

 第72回カンヌ映画祭が開かれて、「パラサイト 半地下の家族」がパルムドールを受賞しましたが、個人的には「1917」のほうが、好みの作品です。主演の兵士が、僕の小学校時代からの友人に似ていて(昔から外人顔だった)、彼と一緒に旅したのは僕だったのかもしれないと思うくらいだった。
 でも、そんないい映画をものともしない、印象的な映画がたまにある。僕の映画好きの根底を作った映画。それが、「未来世紀ブラジル」(テリーギリアム監督1986年)。
 公開当時、僕は15歳。直接映画館で見たのか、リバイバル館で見たのか覚えてないが、とにかく気に入って、当時は高かったビデオテープ(VHS)まで買ってもらって、10回は見た。数回テレビでも放送されていたと思う。この監督の凄いところは、一回見たら、一生忘れられない印象的なシーンを撮ることができるところ。ストーリーとか、完成度とかはどうでもいい。とにかく、そのシーンが頭の中で何回もリフレインして、自分の記憶の中(すなわち人生)に入り込んでくるのだ。
 現に、「未来世紀ブラジル」の中で、一番印象的なシーンは、潰れたハエのせいでタイピングミスが起き、「タトル」が「バトル」に変換されて、そのせいで、全く関係ない「バトル」氏が逮捕されるというさわりのシーンだから。この「バトル」が、ジョナサン・プライス氏(「タトル」はロバート・デニーロ)だが、今回の「ドン・キホーテ」でも、彼が主演だった。
 辛口の評価をすると、テリーギリアム監督の映画は、「グダグダ」で、興味を持ってくれる人さえわかればいいというのが多い。一つだけ、「12モンキーズ」(1996年公開ブラッド・ピットが出てる)という、とても分かりやすい映画があるのだけど、僕の推測では、他の人が編集にかなり手を入れたのではないでしょうか。「12モンキーズ」でも、感染が起こる原因となった、(ブルース・ウィルスが)アタッシュケースを運び出すシーンが印象的でしたね。
 印象的なシーンで勝負するとすれば、「ローズ・イン・タイドランド」(2005年)で、圧倒的な美少女が、ドラッグのオーバードーズで死亡した両親の死体(腐っている)の横で、「パパ起きてこないの?」とつぶやくシーン。美少女と死体、という観点の映画としては、「ラブリーボーン」(ピーター・ジャクソン監督2009年)も印象的でした😢
 今回の映画では、主演のジョナサン・プライスは、老人ドン・キホーテ役。もう一人の主演がアダム・ドライバー(スターウォーズのカイロ・レン)がグダグダの映画監督役(ギリアム本人の投影か)。この映画は、彼が19年前から作ろう作ろうとして、9回挫折したといういわくつきの映画なんです。監督の執念のみとか映画評に書かれていたけど、まさにその通りかも。良かったのは、アダム・ドライバーが恰好よかったのと、彼に絡んでくる女優二人が、とても魅力的だったこと。
 「ブラザーズ・グリム」でもそうなんだけど、モニカ・ベルッチをとても美しく魔女役で登場させてた。(なんと、グリム兄弟は、マット・デイモンとヒース・レジャー!)彼は西洋の女性を魅力的に魅せる服を良く知っている。日本人は和服が似合うし、西洋人は中世のドレスが似合うんだよ。そんな基本的なことを良く分かっているんだ。だから、安心してみれる。
 彼も、今年で80歳。次の作品が多分最後になるだろう。僕の人生を支配してきたスターウォーズとテリーギリアム。この二つのうち一つは終わってしまった。悲しいけど、いい仕事が出来る期間って、だいたい40年間なんだね。僕もそれを考えて仕事しないといけないですね。
 今日の曲はブラジルの水彩画「未来世紀ブラジル」テーマソング 

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