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中内眼科クリニック

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内反・さかまつげ

眼瞼内反(がんけんないはん)

眼瞼内反めやに私は、この分野の治療を専門的に行っており、神戸新聞にも特集されたことがあります。

下眼瞼内反は高齢者に多い病気です。眼瞼下垂ほどは目立ちませんが、下まぶたが内側にまくれて、まつ毛が角膜に当るので、違和感の原因になりますし、角膜に傷がいくと痛くてたまらないという症状を出すこともあります。

眼瞼内反重度加齢性変化で下眼瞼牽引靭帯(けんいんじんたい)と呼ばれる組織が弱って、瞼を下方にピンと張ることができなくなって起こります。上眼瞼下垂と同じような原因で起こるのでreverse ptosis(逆下垂)と呼ばれています。さらにそこに皮膚の余りと眼輪筋の緩みが合わさっています。

 

治療方法

症状改善には、まつ毛を抜くことが必要ですが、当たっている面積が大きいので、ほとんど全部抜かねばならず、我慢が苦痛になっているならば、手術の適応です。

私は、この手術の新しい術式を考案して、再発率が非常に減りました。また、下眼瞼用の挟瞼器を開発して、株式会社イナミから発売もしています。

簡単に内容を説明しますと、まず睫毛から下2mm程度のところを横に切開して、瞼板を出します。そこにくっついているLER(下眼瞼牽引靭帯)を確認した上で、全層で5~6mm短縮します(Jones変法)。さらに睫毛皮下組織と瞼板とをマットレス縫合で結びます(Hotz手術)。最後に皮膚縫合をします。片眼にかかる時間は通常30分以内です。両眼でも1時間以内に終わるので、同日に手術をうけることもできます。

また、まれに水平方向の緩みが強い人がいます。このタイプには、Lateral tarsal stripと言って、外眥靭帯を眼窩骨膜に結びつける手術をします。

上眼瞼の睫毛内反は、下眼瞼とは起こる原因が異なります。眼瞼皮膚弛緩に合併したり、加齢性の瞼板のゆがみによって起こることがあります。皮膚切除とHotz手術できれいに治せます。

睫毛内反(しょうもうないはん)

睫毛内反若年者に多い睫毛内反です。靭帯の緩みなどはなく、まぶたの形で決まってきます。なので、遺伝性要因もあります。一重まぶたで、内眼角皮膚の余りの強い人に多いです。

アジア人では、1才児では30%の子供がまつ毛が角膜に当っているが、12才では3%にその数を減らしています。成長とともに顔の形が変わって(特に鼻が高くなって)、症状が改善する人がほと睫毛内反2んどです。

ただし、子供の時から症状が強い人は、成長しても当たっているので、視力成長の妨げにならない時期(5-6才まで)に手術を受けておいたほうが良いです。ときどき、成人してからも、まつ毛が目にささると言って手術を受けられる方もいます。

 

治療方法

この手術法も睫毛の返しがきちんとできて、傷も小さくなるような方法を開発しています。本来、内眼角側には、瞼板組織が存在しないので、内側の睫毛を立てることは難しいのですが、私の開発したFishtail resection法(魚の尾切除法)では、内眼角贅皮の処理も同時に行うために、ほとんどの睫毛を返すことができます。

ただ、ときどき粘膜から睫毛が生えている方もおられますので、その場合は、次に述べる睫毛乱生の処理に準ずることになります。

睫毛乱生

睫毛乱生本来は、まつ毛は瞼縁(けんえん;まぶたのふち)から約2mm離れたところから、外向きに生えています。しかし、このまつ毛の向きが内向きに生えたり、加齢変化により毛根が倒れこんで、眼に当ったりすることがあります。

それ以外にも本来生えていないはずの瞼縁ぎりぎりから生えたり、結膜から生えたりすることがあります。

睫毛乱生そのようなまつ毛は、違和感や角膜障害の原因となるので、定期的に抜くことになります。体が元気なうちは良いのですが、通院できない状態になると、どうすることもできません。そうなる前に、睫毛乱生の根本的な治療をしておいたほうが良いと思います。

 

治療方法

一番簡単なのは、睫毛電気分解です。以前は、電池式の分解針を用いていましたが、電気メスの一番細いプローブを使うと、ほぼ同じ手技ができ、効果は数倍強いことが分かりました。それでも一回きりで、すべての睫毛根を焼ききることは難しいのですが、7割程度の睫毛が無くなります。追加の電気分解を行うことで、毛根はどんどん減っていきます。

また、この方法は瞼の手術のみでは、内反症が治らなかった場合、また上眼瞼の端に当っているまつ毛が気になるが、皮膚弛緩の手術は受けたくない、などの場合にも役立ちます。さらに内眼角のムダ毛が長く、上下に当たって気持ちが悪い人も、この手術の適応です。

いまは少なくなりましたが、昔はトラコーマという病気が流行って、角膜が白くなったり、瞼の形がひきつったりしました。(なんと、ヘレンケラーさんの先生、アン・サリバン先生はこの眼疾でした)この病気にかかると、皮膚が溶けたようになり、まつ毛の位置が崩れて内反を起こします。瘢痕性内反と言いますが、このくらい強い内反が起こると、瞼板を瞼縁で二つに割って、外側のみをHotz法で外に向けたりする必要があります。

また、それもできないときは、Wojno法と言って、まつ毛の生えている皮膚を全部取りきってしまうこともあります。見かけが若干変わりますので、高齢者で、一回きりの手術にしたい時が適応となります。

まぶたの病気

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